生活習慣病の一種である高血圧症、糖尿病。日常生活で苦しい思いをすることが増え、ひいては命の危険にまでかかわるケースもあるため、軽視せずにしっかりと向き合うことが大事です。
生活習慣病はなぜ危険なのか
高血圧症、糖尿病は、生活習慣病のなかでもよく見られる疾患です。
1.高血圧症:
高血圧症とは、文字通り血圧が高くなることを意味しています。
血圧とは心臓からの血液が動脈内で活動する力のことで、その血流量と血管の抵抗や拡張の度合いで血圧が決まります。朝目覚めるときには低く、日中になるにつれて上昇し、夜間や就寝時はまた低くなるのが自然な状態です。
一時的に血圧が上がること自体はそれほど深刻ではありませんが、高い状態が長く続くのであれば何らかの対処を考えるべきです。
任意血圧で、最高で140mmHg以上、最低血圧で90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上ある状態が続いていたら、高血圧症の可能性があります。
2.糖尿病:
血液中のブドウ糖「血糖」を取り込むためには、インスリンの分泌が不可欠ですが、それができない状態が糖尿病です。インスリンが分泌されないために血糖の処理ができず、血糖値が上がったままになってしまうのです。
糖尿病には突然発症する「1型糖尿病」、日常生活から発症する「2型糖尿病」、妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」があります。それぞれ原因と背景が異なるため、適した治療法が求められます。
<糖尿病が進行すると・・・>
糖尿病を軽視することは非常に危険です。進行すると脂質異常症(高脂血症)などの病気を引き起こす原因となり、また動脈硬化や血糖が高いことによる血管へのストレスから、腎臓疾患や眼の疾患や心臓疾患の引き金にもなるためです。動脈硬化が進むと命の危険にかかわることもあり、早急な治療と日常生活からの心がけが必要になります。
このような症状がありましたら、ぜひご相談ください
- 「血圧の高い状態が続いている」
- 「すぐにのどが渇いてしまう」
- 「トイレの回数が増えている」
- 「疲れやすくなった」
- 「むくみが目立つようになった」
- 「目がぴくぴくする」
- 「食欲が低下し、体重が減った」
このような症状に心当たりがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
高血圧症・糖尿病の原因
突然発症するケースを別とすると、高血圧症、糖尿病の原因としては主に日常生活をベースとするものが多いです。
1.高血圧症の原因:
高血圧症の原因はいまだにはっきりと解明されていませんが、ほとんどの場合生活習慣が大きく関係していると考えられています。
不規則な食生活(塩分のとりすぎなど)、飲酒、運動不足、肥満、日々のストレス、睡眠不足、自律神経機能の異常などが挙げられます。そのため、日常生活を見直していくことが必要です。
2.糖尿病の原因:
1型糖尿病や妊娠糖尿病でない限り、高血圧症と同じように生活習慣が主な原因になります。特に40歳以上で肥満傾向にある方は要注意です。
当院の治療法
高血圧症も糖尿病も日常生活の乱れから引き起こされるケースが多いため、生活改善と健康志向が症状改善のポイントとなります。当院でもその重要性を理解し、患者さま一人ひとりに適した治療計画をご用意いたします。
1.高血圧症は薬物療法と日常生活の改善が基本:
当院では患者さんの食塩摂取量と血管伸展性(血管年齢)検査の結果によって、一人一人の治療法や薬剤選択を考えて治療しています。血管拡張薬、利尿剤などを、患者さまの状態や合併症に合わせて処方していきます。高血圧症を抑え、症状による不調を改善するために大切な方法となりますが、万が一服用中に体調が悪くなりましたらご相談ください。
加えて、日常生活の見直しも必要です。塩分と体重、アルコールの制限、禁煙、運動を心がけましょう。
2.糖尿病は血糖値のコントロールがポイント:
糖尿病は完治が難しい病気であり、多くのケースでは生涯にわたって病気と向き合っていくことになります。血糖値の上昇をコントロールし、症状の進行を抑えながら良い状態を保っていくことが治療方針です。
基本的には薬物治療、食事療法、運動療法がメインとなります。